前の職場の同僚とごはんを食べていて、
「ひのさん、ちょっとお願いがあるんです」
「はぁ」
「お願いって言うか…とりあえず先にウンと言って下さい」
「言うわけないじゃないですか。なんですか」
「話しますから断らないで下さいね、

いっしょにラジオ出ませんか?」

はぁ!?

なんじゃそりゃ。
どっからどうツッコんでいいのかわかりません。


なんでも、隣町にごく狭い範囲しか届かないラジオ局があるそうです。(なんたって市街地周辺しか入らない)存在すら知らなかったよ。
その番組のひとつに、毎回素人がゲストに呼ばれるコーナーがあり(一人とは限らない)、そのとき次回のゲストに自分の友人知人を指名するらしい。
リスナーでリレーしていくテレフォンショッキングですな。

「出ませんよ」
「なんでですか。15分ていどですよ。好きに喋っていいんですよ」
「ていうか、なんで私に言うんですか。友達誘ったらいいじゃないですか」
「友達は全部断られました」

そう言えばさっき、携帯にメールが来たらしく画面を開いて「あちゃー断られた」って言ってたのはもしかしなくてもラジオの件ですか。

「そうそう。あのねーリストがね・・・どんどん横線で消されて行ってるんですよ。あの子も駄目、この子も駄目って」
「私も駄目です」
「そうですか、でも今はね、ほら、他に人がいるし(定食屋でランチしてました)恥ずかしいから断ってるんでしょうから、今は返事しなくて良いですよ」
「いつ、いかなる状況で、どのように頼まれてもお断りします」
「あはははまたまた。」

人の話きけよ。

私の姉・兄まで打診されたが、ソレ全然友達の輪ちがう。
「いいんですよ。自分だって、だいぶ遠い人からこの話が来たんです。
きっとその人も友達ぜんぶ断られたんだと思います。
少し遡ってみたって、電波入らない人ばっかりなんですよ。
どうせ誰も聞かないラジオなんですから、好き勝手喋れて、お茶が飲めて、いい話じゃないですか」
「だから出ませんって」
ごはん食べてる間中、出るの出ないの押し問答してました。
他の話をしていてもラジオの話をマイルドに混入してくるので油断できません。

ごはん屋さんを出て、この道連れゲストを決める期限はいつかと聞いたら「今週中・・・」とのこと。
「がんばってくださいね」
「ええ。とりあえずひのさん保留ですね」
保留じゃねえっつの!!

出ません。






どうしても他にスケープゴートが見当たらなかったら、今日の夜泣きながら電話するかもしれないがそのときはよろしくと言われました。

そうか、私ももしかしたらそのころ偶然携帯が繋がらなくなるかもしれないがそのときは諦めてくれ。
健闘を祈る。