かまくら日和

ある日会社から帰ってくると駐車場にかまくらがあった。
姪が母親に手伝ってもらって作ったらしい。


とはいうものの、私の住む地方では大人が入れるほどの大きなかまくらは作れない。
姪の作ったかまくらも、せいぜい私の胸の高さくらいしかなかった。


そういえば思い出した。


私が小学校に上がったくらいのころ、冬にドカ雪が降ってやはりかまくらを作ったことがあった。
姉と兄と3人で精一杯雪を掻き集めて作ったが、子供の入る大きさですらなかった。


しかたないのでミーコ(当時飼っていたネコ)をむりやり入れた。


嫌がってすぐに逃げてしまったが3人ともそれで満足した。ミーコにはとんだ災難だった。



そんなわけで20年(以上)振りにコガタカマクラを見た。
そうしているうちに、姪が玄関から顔を出しこちらに近づいてきて得意そうに「かまくら作った!かまくら作った!」と言うので、
いやしかしこれじゃネコくらいしか入れんだろう、と思っていたら、
目の前で姪がかまくらの中にするっと入ってしまった。


入ったと思ったらすぐに中でくるりとこちらに向き直って出てくる。


姪はちゃんと人の入れるかまくらを作っていた。
出ては入り、出ては入りを繰り返し、「ほらね!」と言った。